いつ終わる?AGA治療初期脱毛のメカニズムと対処法
初期脱毛とは
AGA治療薬により、治療開始後に抜け毛症状が表れることがあります。これを「初期脱毛」といいます。普段よりも多く髪の毛が抜け落ちるため、心配になる方も多いでしょう。
初期脱毛はAGA治療薬の使用開始後、2週間~1ヶ月半頃に始まり、通常2ヶ月間ほどで落ち着くと言われています。この初期脱毛はAGA治療薬を使用する際によく見られる事ですが、症状の有無や期間は個人差があり、不安になり治療を中断してしまおうかと相談に来られる患者様も少なくありません。
初期脱毛は多くの患者様が経験される症状であり、AGA治療薬がきちんと作用している証拠ですので安心してください。初期脱毛が起こる仕組みや正しい対処法を解説していきます。
AGA治療効果があらわれている証拠
・初期脱毛は治療効果が表れているサイン
初期脱毛とは簡単に言ってしまえば、不健康に育っていた髪の毛が押し出されて、健康な髪の毛を育てる準備期間に表れる症状のこと。それまで乱れていたヘアサイクルが、AGA治療によって正常で健康的なヘアサイクルを取り戻しているため起こります。
基本的には、AGA治療がうまくいき薬がきちんと作用している、と前向きに考えていただいて良いでしょう。
・初期脱毛が起こらなくても治療効果に差はない
ただし、初期脱毛は治療を受けるすべての方に発症するわけではなく、症状が起こらない患者様ももちろんいます。初期脱毛が発生されないからといって、薬が効いていないということではなく、体質等による個人差や、使用している治療薬によっても違ってくるとも言われています。よって、初期脱毛に関してあまり不安に考えすぎる必要はないでしょう。
・初期脱毛が起こりやすい治療薬とは
初期脱毛の症状が発症されやすいとされている治療薬はこの3つが挙げられています。どれも代表的なAGA治療薬です。
✓ミノキシジル
✓ザガーロ(デュタステリド)
✓プロペシア(フィナステリド)
・ミノキシジル
高い発毛効果が期待できるミノキシジル。「攻めの治療薬」とも言われていますが、ミノキシジルには内服薬と外用薬の2種類があります。
ミノキシジルの主な効能は髪の毛を生み出す毛母細胞の分裂を促し、発毛を促進させること。また頭皮への血流促進効果で毛母細胞にしっかりと栄養を運び、髪の毛が成長しやすくなるといわれています。積極的にヘアサイクルを整えていくため、この過程で初期脱毛が起こります。また、外用薬の使用でも初期脱毛が起こる可能性があります。
・プロペシア(フィナステリド)
プロペシアは「フィナステリド」を主成分とする最も有名で有効なAGA治療薬といわれており、プロペシアのジェネリック品としてフィナステリドが発売されています。プロペシア(フィナステリド)は、頭皮に存在する酵素「5aリダクターゼ」がAGA(薄毛)の原因である強力なホルモンへ還元されることを抑制し、AGA改善効果が見込まれます。
抜け毛を減らす、という作用がミノキシジルと大きく違う特徴です。ヘアサイクルを活性化させる治療薬ではないため、初期脱毛は比較的おこりにくいといわれています。
・ザガーロ
ザガーロはプロペシア(フィナステリド)と同様、抜け毛抑制効果のある治療薬です。そのため初期脱毛についても発症の可能性は比較的低いとされています。
ザガーロも頭皮に存在する酵素「5aリダクターゼ」がAGA(薄毛)の原因である強力なホルモンへの還元を抑制することでAGA改善効果が見込まれる薬ですが、プロペシア(フィナステリド)は5aリダクターゼⅠ型のみに阻害効果あり、ザガーロはⅠ型・Ⅱ型どちらにも効果的です。
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初期脱毛はなぜ起きるのか
・健康的なヘアサイクルとは
ここで初期脱毛がなぜ発生するのか、その仕組みも見ていきましょう。
初期脱毛は、AGA症状によって乱れたヘアサイクルを、薬によって健康的で正常なヘアサイクルに戻していますよ、とお話ししました。
ヒトの髪の毛は成長期、退行期、休止期を繰り返しています。
✓成長期・・・髪の毛の細胞分裂が活発に行われ成長していく大事な時期。
✓退行期・・・数週間ほど。髪の毛の成長が緩やかになる時期。
✓休止期・・・3~4ヶ月ほど。髪の毛の成長が止まり、抜け落ちていく。
正常な毛髪のヘアサイクルでは、成長期が3~6年と時間をかけてじっくり行われていくといわれていますが、AGAを発症すると数ヶ月∼1年など極端に短くなり、短く細い毛=成長期でしっかり成長しきれていなかった毛髪が、早々に抜け落ちてしまうのです。
・AGA治療と初期脱毛
AGAを発症した悪いヘアサイクルの毛髪を、一度押し出してしまいましょう、それから新しく健康的な髪の毛を作っていきましょう!という現象が初期脱毛です。ですので、ミノキシジルのような、積極的に発毛を促す効果のある「攻めの薬」ほど、初期脱毛が起こりやすい、といわれているのでしょう。
AGA治療薬を使用することによって、もともと抜け落ちる毛髪の時期を早めているだけであり、抜けている毛髪は健康的に育った毛髪ではないことがほとんどです。また脱毛期間はあくまで一時的なものになるので、心配ありません。
初期脱毛の症状や終わる兆候
・どのくらい抜けるのか
AGAを発症していない、健康な人の髪の毛でも1日100本は抜けています。シャンプーの際にその数の半数以上が抜け落ちる為、まずはシャンプーの時にどのくらい抜けているかを目安にしてみるといいでしょう。
・初期脱毛いつ終わる?終わるサインや兆候
一般的にはAGA治療開始後、10日から2週間ほどで始まり、1ヶ月∼2ヶ月ほどで落ち着くといわれています。不健康なヘアサイクルで育っていた髪の毛が抜け落ちると終了しますが、初期脱毛が終わる目安や兆候などは特にありません。
3ヶ月以上など脱毛症状が長く続く場合は、AGAではなく他の原因による脱毛症の可能性も考慮してください。初期脱毛はあまり深刻に考える必要はありませんが、不安に感じることは医師に相談することをおすすめいたします。
初期脱毛の対処法とは
・新たな毛髪を健やかに
初期脱毛は乱れたヘアサイクルから生まれた毛髪を押し出している症状であるため、育毛剤などでケアする必要はありません。あくまで一時的に起こるAGA治療の副作用であり、初期脱毛の症状それ自体を改善する治療法もありません。
初期脱毛の症状はつらいものです。どうしても不安な気持ちは隠し切れません。ですが、あきらめずに次に生えてくる髪の毛に気持ちを向け、これからの健やかな髪の毛を育てていきましょう。
・健康な髪の毛のためにできること
✓健康的な生活習慣
✓睡眠をしっかりとる
✓過度な飲酒や喫煙
元気な身体は元気な髪の毛の成長に不可欠です。特に偏った食生活では髪の毛へしっかりと栄養を届けることができません。亜鉛やタンパク質を意識して摂取すると良いでしょう。
また過度な飲酒や喫煙も健やかな髪の成長を阻害する原因となります。せっかく食事で亜鉛やビタミンなどを摂取しても、吸収の阻害や破壊されてしまうなど、髪の毛へと届けることができなくなりますので注意が必要です。
さらに質の良い睡眠を毎日しっかりとることは、高い育毛効果をもたらすでしょう。睡眠中に多く分泌される成長ホルモンの働きによって、健康的な髪の毛が育ちやすくなります。
まとめ
初期脱毛はAGA治療を開始した2週間前後から始まり、1ヶ月半∼2ヶ月で落ち着く一時的な脱毛症状のことをいいます。使用している薬が効き、治療効果がしっかりと表れているサインですので、安心して治療を継続してください。
必ず落ち着く脱毛症状ですので、初期脱毛が終われば新しい髪の毛と出会えるでしょう。自己判断で薬の使用をやめることは、もったいないかもしれません。どうしても不安に感じる、2ヶ月以上脱毛が続いている…などの際は、遠慮せずに医師に相談してくださいね。
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