粃糠性脱毛症とは?大量のフケやかゆみ、べたつきを伴う脱毛症を解説【医師監修】
1.粃糠(ひこう)性脱毛症とは
1-1.フケを伴う脱毛症
粃糠性脱毛症(ひこうせいだつもうしょう)とは、パラパラと乾いた大量のフケや頭皮のかゆみを伴う脱毛症です。
フケが詰まるように毛穴の周辺を塞ぎ、脱毛に至り、頭皮の炎症やフケの影響で全体的に髪が薄くなっていきます。
この粃糠性脱毛症は、思春期以降の男性に多くみられる脱毛症と言われていますが、女性が発症するケースもあります。
このような症状でお悩みであれば、粃糠性脱毛症の可能性があります。誤ったケア方法は症状を悪化させる危険性があるため、なるべく早めのクリニック受診をおすすめいたします。
1-2.抜け方の特徴・症状
症状の特徴として乾燥したフケが大量に発生し、頭皮のかゆみや乾燥を伴います。
大量に発生したフケが毛穴をふさぎ、毛穴にいる常在菌(マラセチア菌)が繁殖します。その影響により毛穴が炎症し、髪の成長が阻害され、抜け毛が増え、脱毛に至ります。
また粃糠性脱毛症による薄毛は、AGA(男性型脱毛症)のように生え際や頭頂部が部分的に薄毛になるのではなく、全体的に髪の量が減少します。
FAGA・女性薄毛治療はこちらAGA(男性薄毛治療)はこちら2.粃糠性脱毛症の原因
2-1.誤ったヘアケア
刺激の強いシャンプーや肌に合わない製品は使用を中止しましょう。
頭皮への余計な刺激は、必要な皮脂を洗い流し、頭皮を乾燥させます。皮脂が欠乏することで頭皮が乾燥し、フケの発生につながります。
また、肌質に合わないシャンプーや整髪料も頭皮にとって刺激となり、炎症を引き起こし、フケを発生させる原因となるため注意が必要です。
2-2.生活習慣の乱れ
ジャンクフードや加工食品、ファストフードに偏った食生活は皮脂の過剰分泌を引き起こし、刺激が強く誤った洗髪やヘアケアに走る要因となります。
さらに、生活習慣や食生活の乱れは健康な髪の毛に必要な栄養素が不足します。
髪の毛まで栄養が届かなくなると、粃糠性脱毛症だけでなくAGAなど他の脱毛症発症も引き起こしやすくなるため、一日の食事に野菜をプラスしてみるなど、偏った食事にならないよう意識してみるといいでしょう。
2-3.ホルモンバランスの乱れ
健康な髪を維持するためのヘアサイクルや新陳代謝は、ホルモンバランスの異常によって乱れることがあります。
ホルモンバランスが乱れることによって頭皮環境が悪化し、皮脂の過剰分泌や炎症を引き起こし、粃糠性脱毛症に繋がることがあります。
2-4. 過度なストレス
不規則な生活や、仕事や家庭などの環境などからくるストレスは頭皮のターンオーバーを乱れさせます。
頭皮の血流を悪化させ、栄養や酸素が十分に供給されずに健康的な髪が育ちにくくなり、抜け毛が増える原因に。
3.粃糠性脱毛症の改善方法
3-1.生活習慣を整える
栄養バランスを見直しや生活習慣を整えることは、健康な髪の毛を作り、良好な頭皮環境を保つことに欠かせません。脂の多い食事や加工食品をなるべく避け、質のよいたんぱく質やビタミン・ミネラルが摂れるように心がけましょう。
また睡眠の質を上げることも、頭皮環境の改善にとても効果的です。ホルモンバランスも整い、髪の毛だけでなく全身の体調も良くなるでしょう。
3-2.正しいヘアケアを行う
フケが出る、頭皮がべたつくなどの症状がある場合は、一度ご自身のヘアケア方法や使用している製品を見直すことをおすすめいたします。
フケや皮脂が多いと、脂や汚れを落とそうと洗浄力の強いシャンプーを使う方が多いかもしれません。そのような刺激による炎症や、皮脂の落としすぎにより、乾燥を招いてしまうことがあります。
思い切って頭皮に刺激の少ないアミノ酸系のシャンプーに切り替えてみてください。フケやかゆみ、乾燥など、頭皮環境を改善させる効果が期待できます。
3-3.ストレスを発散する
ストレスの発散には、適度な運動をおすすめしています。ストレスの軽減だけでなく、睡眠の質の向上にも期待できるでしょう。
さらに、適度な運動を日常に取り入れることは、ストレスの軽減だけでなく、頭皮や全身の血流の改善にも欠かせません。全身の血流がアップすることで、髪の毛にも栄養がしっかりと届き、健康な髪の毛を作りだします。
4.粃糠性脱毛症の治療方法
粃糠性脱毛症は進行性であるため治療が必要な脱毛症ですが、自己判断は大変難しく、危険です。間違った治療方や薬品はさらに症状を悪化させ脱毛が進みます。
症状や脱毛部分の頭皮や毛穴の状態を専門医が診察し、見極めることが大切です。
一般的にはステロイドや抗生物質を使用し頭皮の炎症を抑え、マラセチア菌が原因であるケースでは繁殖を抑える抗真菌薬(外用)、また、かゆみや炎症を鎮める抗ヒスタミン薬を使用します。
他の脱毛症を併発しているケースもあり、症状の程度によって治療方法が異なります。
FAGA・女性薄毛治療はこちらAGA(男性薄毛治療)はこちら5.粃糠性脱毛症以外の脱毛症
5-1.びまん性脱毛症
女性が発症する脱毛症の中でも特に多いと言われている脱毛症が、びまん性脱毛症です。
食生活の乱れによる栄養不足やストレス、血行不良、ホルモンバランスの乱れなどさまざまな原因で引き起こされます。発症に年齢はあまり関係なく、若い女性に発症することもあります。
症状の特徴として、頭部全体の髪の毛が薄くなっていきます。髪の毛の本数が減少する、1本1本が細く弱々しくなったりするなど、頭皮が透けて見えるようになるケースもあります。
5-2.脂漏性脱毛症
脂漏性脱毛症(しろうせいだつもうしょう)とは、脂漏性皮膚炎から起こる脱毛症のひとつです。
脂漏性皮膚炎は皮脂の過剰分泌が原因となり頭皮がべたつき、ニキビ、炎症、湿疹などを招きます。その結果、頭皮環境が悪化し、抜け毛が進行してしまうことを脂漏性脱毛症といいます。
高温・多湿で紫外線が強くなる夏の時期は、症状が悪化する方も少なくありません。
5-3.牽引性脱毛症
牽引性脱毛症(けんいんせいだつもうしょう)とは、ヘアスタイルなどにより髪が引っ張られることで、頭皮や毛根に物理的な負荷がかかり、髪が抜ける症状のことを言います。
また、血行不良によって髪の成長の妨げにもなります。
遺伝やホルモン、ウィルスなどが原因ではなく一過性の症状であるため、放置しても進行しませんが、改善を怠ると抜け毛が増え続ける可能性があるので注意が必要です。
5-4.円形脱毛症
円形脱毛症は、部分的に髪の毛が一気に抜け落ちてしまう症状が特徴です。
免疫機能の異常により、身体が自分の髪の毛を異物と認識し、攻撃することで発症すると考えられていますが、実は円形脱毛症の正確な原因は判明していません。
5-5.AGA(男性型脱毛症)
進行性の薄毛、抜け毛症状のある男性の脱毛症です。
AGAによる薄毛の原因は未だ特定されていません。主な原因は男性ホルモンや遺伝と言われていますが、薄毛が進む原因として、加齢やストレス、食生活、喫煙なども関わっていると考えられています。
様々な原因が混在して起こるため、治療には原因の分析が重要となります。原因を見極めたうえで、適切な治療法を行う必要があります。
また、女性の脱毛症の場合はFAGAと言います。
6.粃糠性脱毛症とAGAは併発する?
AGA(男性型脱毛症)と合併して発症するケースも多くみられます。
合併し発症している場合、AGA治療を行ってもAGA薬の効果を効果的に引き出すことが出来ません。平行して粃糠性脱毛症の治療も行い、まずは頭皮環境を整えましょう。
7.頭皮のフケやかゆみにお悩みの方は東京ワンダークリニックまでご相談ください
粃糠性脱毛症(ひこうせいだつもうしょう)とは、パラパラと乾いた大量のフケや頭皮のかゆみを伴う脱毛症です。
フケが詰まるように毛穴の周辺を塞ぎ、脱毛に至り、頭皮の炎症やフケの影響で全体的に髪が薄くなっていきます。
粃糠性脱毛症を疑い、ヘアケアや食生活を変えてみるなどの対処をしてみても症状の改善が見られない場合、他の脱毛症が原因である可能性もあります。
粃糠性脱毛症の自己判断は大変危険であり、また脱毛症は様々な要因が絡んでいるケースも多く、専門医による原因の見極めが重要になります。
大量のフケやかゆみ、抜け毛症状がある際は、早めにクリニックまでご相談ください。