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AGAとは違う?脂漏性脱毛症の原因、治療法を医師が解説

[2024年8月2日]  AGA

脂漏性脱毛症とは

1.脂漏性脱毛症とは

1-1.脂漏性皮膚炎による脱毛症

フケとかゆみ、頭皮のベタつきが気になると同時に、抜け毛が増えた…このような症状は脂漏性脱毛症(しろうせいだつもうしょう)に見られる症状です。

脂漏性脱毛症は、皮脂の過剰分泌が原因で抜け毛が増えてしまう脱毛症の一種です。

夏場に頭皮がベタつくなどの症状は年齢や性別問わずよくあることであるため、過剰に心配する必要はありませんが、年間を通してベタつきやフケ、かゆみが気になる方や脱毛を伴うようであれば、クリニックへの早めの相談をおすすめいたします。

1-2.皮脂分泌の多い男性が発症しやすい

脂漏性脱毛症は、比較的皮脂分泌の多い男性が発症しやすいと言われています。

皮脂には肌のバリア機能を強化し、うるおいを保護するはたらきがあります。

皮脂バランスが安定した肌ではバリア機能が正常に機能するため、トラブルが少なく健康な肌を保持できます。

しかし、何らかの理由により皮脂バランスを崩した肌ではかゆみや赤みが起こりやすくなります。

1-3.抜け方の特徴・症状

脂漏性脱毛症を発症すると、抜け毛以外に次のような症状が現れます。

✓頭皮のベタつき
髪の毛の根元に近い部分にベタつきを感じるようになり、悪化すると髪の毛全体が湿ったようなベタつくというような症状も。

このべたつきの症状には個人差がありますが、黄色っぽい皮脂が毛穴に詰まることもあり、枕カバーが皮脂により汚れる、悪臭を発することもあります。

✓フケ
フケの量やフケの状態に注目しましょう。

脂漏性脱毛症を発症している場合、通常よくみられるようなカサカサとした細かくて白っぽいフケではなく、黄色っぽく一つ一つが大きく、ベタつきを感じ、頭皮や毛髪に張り付くようなフケであることが特徴です。

毎日シャンプーをし、清潔に保っているがこのようなフケに悩まされている、といった方は脂漏性脱毛症を発症している可能性が高いと言えるでしょう。

✓頭皮の赤み、かゆみ
脂漏性皮膚炎から移行した脱毛症であるため、かゆみや赤みが見られることもあります。

皮脂腺が発達している生え際付近に症状が現れやすく、また皮脂の分泌量が多い箇所であればどこにでも起こり得るため、個人差はありますが、頭皮だけでなく背中やわきの下、鼻の横などにかゆみや赤みがでることもあります。

✓頭皮ニキビや炎症
脂漏性脱毛症は皮脂の過剰な分泌によって起こる脱毛症です。

過剰に分泌された皮脂がフケなどとまじり毛穴に詰まり、頭皮の炎症やニキビの原因となります。

脂漏性脱毛症による炎症やニキビなどは、他の部位と同様、年齢を重ねるごとに治りにくくなると言われています。

毛穴詰まりによる頭皮の炎症などを引き起こさないよう、日ごろからの予防も大切になります。

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2.脂漏性脱毛症の原因

脂漏性脱毛症の原因

2-1.ホルモンバランスの乱れ

健康な髪を維持するためのヘアサイクルや新陳代謝は、ホルモンバランスの異常によって乱れることがあります。

ホルモンバランスが乱れることによって頭皮環境が悪化し、皮脂の過剰分泌や炎症を引き起こし、脂漏性脱毛症に繋がることがあります。

2-2.生活習慣(睡眠不足・食生活・喫煙・飲酒)

ジャンクフードや加工食品、ファストフードに偏った食生活は皮脂の過剰分泌を引き起こし、刺激が強く誤った洗髪やヘアケアに走る要因となります。

さらに、生活習慣や食生活の乱れは健康な髪の毛に必要な栄養素が不足します。

髪の毛まで栄養が届かなくなると、脂漏性脱毛症だけでなくAGAなど他の脱毛症発症も引き起こしやすくなるため、一日の食事に野菜をプラスしてみるなど、偏った食事にならないよう意識してみるといいでしょう。

また、あまり関係がないのでは?と見落としてしまいがちですが、髪の毛のためにも適度な運動をおすすめしています。

ストレスの軽減だけでなく、睡眠の質の向上にも期待でき、健やかな髪の毛を作り、頭皮環境を整えます。

2-3.誤ったヘアケアによる頭皮環境の悪化

刺激の強いシャンプーや肌に合わない製品は使用を中止しましょう。

頭皮への余計な刺激は、必要な皮脂を洗い流し、頭皮を乾燥させます。皮脂が欠乏することで頭皮が乾燥し、フケの発生につながります。

また、肌質に合わないシャンプーや整髪料も頭皮にとって刺激となり、炎症を引き起こし、フケを発生させる原因となるため注意が必要です。

2-4.常在菌(カビ)が原因のケースもある

マラセチア菌(常在菌)の異常繁殖が原因のケースもあります。

マラセチア菌とは、ヒトの皮膚表面に存在するカビの一種です。このマラセチア菌は、皮脂バランスが安定した健康な肌では悪さをすることはありません。

しかし、皮脂バランスが崩れ皮脂量が増えた時、皮脂や汗をエサにして繁殖し、脱毛症など皮膚トラブルを引き起こします。

3.脂漏性脱毛症の改善方法

3-1.生活習慣を整える

栄養バランスを見直しや生活習慣を整えることは、健康な髪の毛を作り、良好な頭皮環境を保つことに欠かせません。

脂の多い食事や加工食品をなるべく避け、質のよいたんぱく質やビタミン・ミネラルが摂れるように心がけましょう。

また睡眠の質を上げることも、頭皮環境の改善にとても効果的です。

ホルモンバランスも整い、髪の毛だけでなく全身の体調も良くなるでしょう。

3-2.正しいヘアケアを行う

フケが出る、頭皮がべたつくなどの症状がある場合は、一度ご自身のヘアケア方法や使用している製品を見直すことをおすすめいたします。

フケや皮脂が多いと、脂や汚れを落とそうと洗浄力の強いシャンプーを使う方が多いかもしれません。そのような刺激による炎症や、皮脂の落としすぎにより、乾燥を招いてしまうことがあります。

思い切って頭皮に刺激の少ないアミノ酸系のシャンプーに切り替えてみてください。フケやかゆみ、乾燥など、頭皮環境を改善させる効果が期待できます。

3-3.ストレスを解消する

ストレスは皮脂の分泌量を左右し、ストレス状態が続くことで皮脂の分泌量が増える、ということが大手化粧品メーカーの研究により分かっています。

ストレスの発散には、適度な運動をおすすめしています。ストレスの軽減だけでなく、睡眠の質の向上にも期待できるでしょう。

適度な運動を日常に取り入れることは、頭皮や全身の血流の改善にも欠かせません。

自律神経が整い、全身の血流がアップすることで、髪の毛にも栄養がしっかりと届き、健康な髪の毛を作りだします。

4.脂漏性脱毛症の治療方法

脂漏性脱毛症の治療方法

脂漏性脱毛症が疑われる場合、クリニックでの治療が可能です。

頭皮が炎症を起こしているのであれば、ステロイド外用薬などを用いることが一般的な治療法となります。

脂漏性脱毛症の原因となるマラセチアの増殖の予防には抗真菌薬を利用するのが効率的ですが、抗真菌薬には様々な種類があるため、自己判断で購入せずにクリニックに相談しましょう。

このような外用薬は、1日1〜2回患部に塗布し、おおよそ2週間で症状が落ち着くでしょう。

治療法には個人差がありますので、症状によっては薬用シャンプーを併用することもあります。医師の診断のうえ、適切な治療法を継続してください。

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5.脂漏性脱毛症以外の脱毛症

5-1.びまん性脱毛症

脱毛症の中でも特に女性が発症することが多いと言われている脱毛症が、びまん性脱毛症です。

食生活の乱れによる栄養不足やストレス、血行不良、ホルモンバランスの乱れなどさまざまな原因で引き起こされます。発症に年齢はあまり関係なく、若い女性に発症することもあります。

症状の特徴として、頭部全体の髪の毛が薄くなっていきます。髪の毛の本数が減少する、1本1本が細く弱々しくなったりするなど、頭皮が透けて見えるようになるケースもあります。

5-2.牽引性脱毛症

牽引性脱毛症(けんいんせいだつもうしょう)とは、ヘアスタイルなどにより髪が引っ張られることで、頭皮や毛根に物理的な負荷がかかり、髪が抜ける症状のことを言います。

また、血行不良によって髪の成長の妨げにもなります。

遺伝やホルモン、ウィルスなどが原因ではなく一過性の症状であるため、放置しても進行しませんが、改善を怠ると抜け毛が増え続ける可能性があるので注意が必要です。

5-3.粃糠性脱毛症

粃糠性脱毛症(ひこうせいだつもうしょう)は、頭皮の炎症やフケの影響で全体的に髪が薄くなっていきます。パラパラと乾いた大量のフケや頭皮のかゆみを伴う脱毛症です。

フケが詰まるように毛穴の周辺を塞ぎ、脱毛に至ります。

誤ったケア方法は症状を悪化させる危険性があるため、早めのクリニック受診をおすすめいたします。

5-4.円形脱毛症

円形脱毛症は、部分的に髪の毛が一気に抜け落ちてしまう症状が特徴です。

免疫機能の異常により、身体が自分の髪の毛を異物と認識し、攻撃することで発症すると考えられていますが、実は円形脱毛症の正確な原因は判明していません。

5-5.AGA(男性型脱毛症)

進行性の薄毛、抜け毛症状のある男性の脱毛症です。

AGAによる薄毛の原因は未だ特定されていません。主な原因は男性ホルモンや遺伝と言われていますが、薄毛が進む原因として、加齢やストレス、食生活、喫煙なども関わっていると考えられています。

様々な原因が混在して起こるため、治療には原因の分析が重要となります。原因を見極めたうえで、適切な治療法を行う必要があります。

また、女性の脱毛症の場合はFAGAと言います。

6.脂漏性脱毛症とAGAは併発する?

脂漏性脱毛症とAGAは併発する?

脂漏性脱毛症とAGAは、脱毛原因や髪の毛の脱け方など、まったく異なる脱毛症です。

まず脂漏性脱毛症は、皮膚炎の悪化によってフケや頭皮の炎症などを伴う脱毛症です。

一方でAGAとは、男性ホルモンバランスの乱れや遺伝により引き起こします。AGAでは前頭部から後退する(M字型)や、頭頂部から薄毛が拡大する(O型)といった抜け方の特徴があります。

しかし異なるそれぞれの脱毛症ですが、人によっては併発することもあります。

フケや頭皮の炎症、ベタつきを伴う脱毛症状がありながら、頭頂部や生え際、前頭部での脱毛やうぶ毛のような髪が増えている場合は、自己判断はせずに医師による診察をおすすめいたします。

7.頭皮のベタつきが抜け毛に繋がることも!まずは東京ワンダークリニックまでご相談ください

脂漏性脱毛症は、皮脂の過剰分泌が原因で抜け毛が増えてしまう脱毛症の一種です。

大量のフケとかゆみ、頭皮のベタつきが気になると同時に、抜け毛が増えるなどの症状が見られます。

女性に比べ、もともと皮脂量が多い男性がなりやすいと言われており、前頭部や頭頂部から薄毛が広がるAGA(男性型脱毛症)と併発する可能性もあります。

夏場に頭皮がベタつくなどの症状は年齢や性別問わずよくあることであるため、過剰に心配する必要はありませんが、年間を通してベタつきやフケ、かゆみが気になる方や脱毛を伴うようであれば、毛のクリニックまでご相談ください。

炎症や脱毛症状の原因を見極め、生活習慣などお伺いします。一人ひとりに合わせた適切な治療法をご提案し、回復を目指します。